Drones Changed This Civil War, and Linked Rebels to the World
ミャンマーで軍事政権と戦っている抵抗勢力の最優秀の兵士の一人は、サンダルにショートパンツ姿だった。彼は武器を自慢げに披露しつつ、謝った。ほとんどバラバラの部品だったからだ。
その兵士シャンジー氏は、3Dプリンターで造形したプラスチックパネルを接着剤でくっつけていた。近くには、中国製の農業用ドローンから取り出した電装品が地面に並べられ、配線はまるで手術を待つかのようにむき出しになっていた。
プロペラが取り付けられた発泡スチロールの塊など、自家製ドローンを作るのに必要な他の部品も、木々の葉に囲われた二つの小屋に所狭しと並んでいた。ここは「カレンニー国民防衛隊(KNDF)」[Karenni Nationalities Defense Force]の武器庫と言ってもよいだろう。レーザーカッターは飛行制御ユニットを削り出している途中で停止していた。発電機が止まってしまったためだ。いつ電気が復旧するかは分からなかった。
寄せ集めにもかかわらず、抵抗軍のドローン部隊は、ミャンマー国内のパワーバランスをひっくり返すことに成功した。3年前に文民政権から実権を奪い取った軍は、国を取り戻すために戦っている何百もの市民軍よりもはるかに大きく、装備も整っている。また、軍事政権はロシア製戦闘機や中国製ミサイルを自由に使えるのだけれど。
絶望的なほど非対称な力関係にもかかわらず、抵抗勢力は、ネット上で入手可能な説明書と中国から取り寄せた部品だけで、この内戦を何とか持ちこたえている。使っている技術は、ウクライナやイエメン、スーダンの兵士にとっても、なじみのないものではないだろう。
民生品用の技術[consumer technology]に詰め込まれた各種の新機能は、世界中で紛争の様相を変えつつある。衛星通信スターリンクでインターネットが使えるし、3Dプリンターで部品を大量生産できる。しかし、その中でも、安価なドローンほど重要な製品はない。
- 【注目記事を翻訳】連載「NYTから読み解く世界」
記事の後半では、ドローン部隊を創設したリーダーを取材しています。そしてまた、ドローンを操縦するこの兵士の話に。
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