【動画】ドローンで撮影、日本百名山・利尻島の圧巻の絶景=いずれも神村正史撮影
美しいものとは何か。それが40年近く前の学生時代の研究テーマだった。北海道で長く勤務しているのも、半分はその答え探しのためだ。最北の日本百名山・利尻山(1721メートル)で夜通し撮影した結果、答えが少し見えてきた。
利尻山は、北海道北部の稚内市の西30キロほどの日本海に浮かぶ利尻島そのものだ。活火山で最新の噴火は2千~8千年ほど前とされる。
その山容について、作家・深田久弥は著書「日本百名山」で「島全体が一つの頂点にひきしぼられて天に向かって」いる山だとし、「こんな見事な海上の山は利尻岳(山)だけである」と称賛している。
ザックの重さは20キロ超
ここには、8~9合目の間に避難小屋がある。ただ、避難目的以外での使用は禁止。このため、小屋泊前提の登山計画は立てないことがルールだ。
5月30~31日、夜通しでの取材を計画し、緊急時用の装備と2日分の水・食料、携帯トイレ、ドローンなどの撮影機材を担ぎ、北側から登る鴛泊(おしどまり)ルートを3人で歩いた。ザックの重さは1人20キロを超えた。
避難小屋(1250メートル付近)を過ぎたところで、ルート上に大きな雪渓が待ち構えていた。
数日前に降雪があり、積雪量も増えたのだという。足を踏み出すと、ひざの辺りまで簡単に埋まる。雪は溶け始めていて雪渓全体がかなり緩んでいるように思われた。
「これ以上登るのは危険だ。登れても下りられないかもしれない」
息をのむほど美しい「天の川」のタイムラプス動画、さらに、早朝の眼下で波打つ神秘的な雲海のタイムラプス動画が、この先でご視聴いただけます。
アイゼンなど雪への装備は携…