長い乾期で雨が降らず、茶色がかった森が延々と続く。川の向こうはミャンマー領。国境のモエイ川に沿ってタイ側を車で走っていると、対岸に倉庫のような建物や住宅群が現れた。
ミャンマー東部ミャワディ周辺に数カ所ある中国系マフィアの国際詐欺拠点の一つ「泰昌園区1」だ。窓がなく、2階にまで有刺鉄線が張られた建物や、異様に高い塀で囲まれた家屋もある。
「あそこが開発されたのは4年ほど前から」。タイ治安機関の地元幹部が言った。「さらに山奥には1年ほど前から『泰昌園区2』が建設されている。タイ領内から直接見ることはできず、実態は分からない。ドローンを飛ばしたことがあるが、最近は妨害電波が使われているようだ。マフィアが持ち込んだのだろう」
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