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南アフリカのヨハネスブルクで2002年9月2日、演説するナミビアのサム・ヌジョマ初代大統領=ロイター

 アフリカ南部のナミビアのサム・ヌジョマ初代大統領が8日、95歳で死去した。同国大統領府が9日、発表した。体調不良で入院中だった。白人政権下の隣国南アフリカに植民地支配を受けていたナミビアで、ヌジョマ氏は抑圧からの解放闘争の指導者として活動。南アフリカの故ネルソン・マンデラ氏と同様に「建国の父」とされている。

 ナミビアはかつて、ドイツによる植民地支配も経験した。ヌジョマ氏は元鉄道職員で、南アフリカ統治下の1950年代から解放運動の中核を担った。90年の独立後、大統領を3期務めた。大統領府は9日の声明で「解放闘争の最も苦しい時期に、人々を英雄的にまとめあげた」と伝えた。

 ヌジョマ氏は独立時、与党「南西アフリカ人民機構」(SWAPO)の議長を務め、初代大統領として白人の支配層や黒人の各民族の和解を呼びかけた。一方、現在まで一貫して与党を担ってきたSWAPOの支持層は最大民族オバンボで、実態としてはオバンボ優位の政治が続いている。

 2024年11月の大統領選では、SWAPOのネツンボ・ナンディヌダイトワ氏が初の女性大統領に当選した。ナミビアは女性議員が約4割を占め、世界的にも政治分野を中心に男女平等が進んでいるとされている。

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