紅葉の季節でもないのに、葉が赤茶色になる木々が今年も各地で見られた。虫によってナラの木がむしばまれる「ナラ枯れ」だ。最近の暖冬が虫の繁殖を助けているとの指摘もあり、被害は本州の最北端、青森県の下北半島に到達した。
9月5日、本州最北の青森県大間町。海ぎわから山へと入る林道わきに、枯れたナラの木があった。
根元に木くずが見られる。木に入り込んだカシノナガキクイムシ(カシナガ)が出したものだ。「北の端まで来たか」と、調査していた下北地域県民局の職員(44)は思った。ナラ枯れだった。
青森では過去最多、計20市町村で被害
被害は全国的に広がっている。ナラでも枯れやすいミズナラが多い北東北では2006年、秋田県にかほ市で初めて見つかり、被害は北へ向かった。
被害量は、岩手が17年度の8800立方メートルをピークに、昨年度は5900立方メートル。秋田は20年度の2万3千立方メートルが最大で、昨年度は8500立方メートルだった。
2県が落ち着いてきた一方…