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ニセコ五色温泉の源泉設備を壊して作ったとみられる露天風呂=HTB提供

 ニセコ地域にある北海道蘭越町の温泉旅館で、何者かが敷地内に侵入し、勝手に源泉をせき止め、野湯を作る被害が出ていることがわかった。湯量が低下し、一部の風呂が使用できなくなっており、旅館では警察に被害届を出すことも検討している。

 被害があったのは、同町の「ニセコ五色温泉旅館」。1日ごろから、何者かが源泉付近を掘って、石で湯をせき止める被害が繰り返されているという。

 源泉の温度は70~80度ある。旅館では通常、源泉を、数メートル下流の貯水マスにため、パイプで旅館に引き込み、掛け流しにしている。

 野湯は、源泉付近の冷鉱泉からホースで水を引き込んで温度を調節。近くには板を並べた足場が作られ、マットも敷かれていた。従業員が気付いて原状回復すると、数日後には、再び野湯が作られるという。

 旅館によると、源泉は200メートルほど離れており、旅館からは直接見えないという。防犯カメラには、早朝、旅館の外を移動する人影らしきものが映っていたという。

 以前から、温泉愛好家と思われる人が、勝手に野湯を作ることがあり、数年前には、ユーチューブなどの動画撮影で同様の行為をした人を注意し、逃げられたこともあったという。

 旅館を経営する佐藤観光の佐藤直樹取締役は「これまでも注意し、その度、原状回復に努めてきた。今回は、営業にも支障が出て、お客様にご迷惑をおかけしている。さらに続くようなら厳しい対応を考えなければいけない」と話す。

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