全国発明表彰(公益社団法人発明協会主催、朝日新聞社など後援)の今年度の恩賜発明賞に、「ニッケルを用いた電極長寿命化技術の発明」が選ばれた。
食塩水から塩素や水酸化ナトリウムをつくる電解装置に使われる電極の劣化を抑え、長期間、安定運転できる技術を発明した。塩素や水酸化ナトリウムは、プラスチックや医薬品、繊維など生活に欠かせない製品の原料となる化学品で、食塩電解は世界中で使われている。
電解装置がメンテナンスや操作ミスなどで運転を停止する際、逆向きの電流が流れて電極が劣化する。消費電力が増えるため、電極の保護が課題だった。
これまでは機械設備を使って逆電流を小さくしてきたが、誤作動などのトラブルは防げない。機械に頼らない解決策が求められていた。
そこで、電極で生成される高…