もろさわようこさん(右)と河原千春さん=2023年、河原千春さん提供

 長野県の地方紙、信濃毎日新聞が1月から展開する大型企画「ともにあたらしく ジェンダー 地域から」。

  • 「遠い都会の話題ではない」ジェンダー、地方紙で性差別を報じる記者は

 取材を担う河原千春さん(43)がジェンダーの問題に向き合う契機は、ある女性史研究家との出会いだった。

 佐久市出身のもろさわようこさん(2024年2月、99歳で死去)。「あなたの受難は私の受難」といい、被差別部落や沖縄での米兵の性暴力被害者など、常に弱い立場の女性たちと連帯し、性差別が社会構造のなかでつくられてきたことを告発した。

 学生時代は「女性差別は過去のもの」という認識だった河原さんだが、仕事を続けるなかで「ニュースの扱いに偏りがあるのでは」と疑問に思うようになった。

 例えば17年の刑法改正。強…

共有
Exit mobile version