チャトラン。副社長なので、こうしてオフィスを巡回しています=2025年3月13日、大阪市の三協精器工業、中島隆撮影

 みなさん、1年ぶりだニャ~。大阪市にあるバネづくりの会社「三協精器工業」の副社長、チャトランです。ネコらしく、気が向いたんでひょっこり登場です。この1年ほど、副社長として、日本が抱える問題の一端を見てきました。今回は、その報告です。

 弊社は、札幌と大阪・北新地に羊肉を使ったジンギスカンの店を開いていました。北海道の士別市というところで羊の牧場を経営していて、そこの肉を使うのです。

 でも昨年12月末で、北新地の店は閉店しました。原因は人手不足と、「103万円の壁」です。

 ご存じのように、日本は深刻な人手不足です。やっとの思いでパートやバイトを雇えたとしても、所得税がかからないよう、収入を年間103万円未満に抑える勤務時間の調整が出てきます。

 うちのキタの店は、時給1500円でした。大阪の最低賃金は1114円だから、高いでしょ? ただ、時給が高いと103万円の壁にぶつかるまでが早い。昨年9月ごろからスタッフの勤務調整が始まり、シフトを満足に組めなくなりました。本社の社員が応援に行く日もありました。店長ひとりの、いわゆる「ワンオペ」の日もありました。

 そこで、店の継続をあきらめたのです。「猫の手も借りたい」と言われても、実際にはネコは何もできません。悔しいです。

 3月12日、春闘をめぐる大…

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