イスラエルのネタニヤフ首相は22日、ワシントンでのバイデン米大統領との会談に向けテルアビブを出発しました。会談では、イスラム組織ハマスとの停戦や人質解放をめぐる交渉について協議するとみられます。
昨年10月にパレスチナ自治区ガザで戦闘が始まって以降、ネタニヤフ氏の訪米は初めてです。バイデン氏は5月末に3段階からなる停戦案を発表しましたが、大統領選からの撤退が協議に影響する可能性もあります。
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■■■2024年7月22日(日本時間)の動き■■■
イスラエル軍、人質2人の死亡を確認
イスラエル軍は22日、昨年10月にイスラム組織ハマスによってパレスチナ自治区ガザに連れ去られた人質の男性2人の死亡を確認したと発表した。遺体はいずれも、ハマスのもとにあるとみられる。イスラエル当局は、死亡時の状況を詳しく調べているという。
軍の発表などによると、死亡したのはアレックス・ダンシグさん(75)とヤコブ・ブクフシュタフさん(35)。地元メディア「タイムズ・オブ・イスラエル」によると、数カ月前にイスラエル軍がガザ南部ハンユニスで作戦を展開しているときに死亡したという。
報道によると、ハマス側は今年3月、ダンシグさんはイスラエル軍の攻撃で、ブクフシュタフさんは食料や薬の不足で死亡したと主張していた。軍は現在、ハマスに拘束された人質116人のうち44人の死亡を確認しているという。
イスラエル軍、ハンユニスの一部地域に避難命令 直後の空爆で37人死亡
イスラエル軍は22日朝、パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスで民間人の避難先として指定していた一部地域に対し、避難命令を出した。軍は声明で、イスラム組織ハマスに対し「民間人を人間の盾として利用している」と主張した。
軍は、イスラエルが安全な避難先としていたハンユニス東部の民間人に対し、近郊のマワシに避難するよう呼びかけた。「テロ活動とロケット砲撃のため、この地域にとどまることは危険になった」としている。
ガザ保健省によると、この命令後のハンユニスへの空爆で少なくとも37人が死亡、120人が負傷した。救護活動を担うパレスチナ赤新月社はSNSで「住宅地への攻撃だった」と伝えている。
イスラエル首相「米国民が誰を大統領に選ぼうと、最強の同盟国」
イスラエルのネタニヤフ首相は22日、バイデン米大統領との会談のためテルアビブを出発した。渡米直前の記者会見では「米国民が次の大統領に誰を選ぼうとも、イスラエルは中東において最も重要で最強の同盟国だ」と述べた。地元メディア「タイムズ・オブ・イスラエル」が伝えた。
ネタニヤフ氏は、パレスチナ自治区ガザだけでなく、イスラエルの北部国境や南部でも戦闘が起きている、と説明。「ワシントンの政治情勢が極めて不透明な時期に、非常に重要な訪米になる」と強調した。
今回の訪米では、バイデン氏が率いる民主党だけでなく、トランプ前大統領が所属する共和党の関係者とも会談することを示唆し、「イスラエルにとって非常に重要な、党を超えた支持を確立させることに努める」と語った。
イスラエル大統領、バイデン氏は「ユダヤ人の真の盟友」
米大統領選から撤退する意向…