圧政への抵抗に命を捧げた歴史上の英雄たちの記念碑を訪れたネパールのカルキ暫定首相=2025年9月14日、カトマンズ、武石英史郎撮影

 ネパールでZ世代の若者らによる反政府デモの末に前政権が倒れ、ポーデル大統領がカルキ暫定首相を任命し、連邦議会下院を解散したことについて、議席をもっていた8政党が13日夜、共同声明を出した。「解散は憲法の規定に反する」として、撤回を要求した。

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 デモは8日、警察の発砲で19人の死者が出たことで暴動に発展。連邦議会や政府機関、政党事務所や元首相宅などが焼き打ちされた。下院の解散は、これまでの政党政治を腐敗の象徴とみるZ世代のグループが要求していた。軍トップが仲介役となったカルキ氏擁立までの調停には主要政党の幹部も参加したが、12日の首相就任宣誓には上下両院の議長は参加せず、政党側の動向が注目されていた。

 政党側の共同声明は、カルキ氏が率いる暫定政権について「憲法に基づく良い統治を求めた(若者らの)運動の精神に反し、路上からつくられた」と批判。下院は「民意によって選ばれた」と強調し、若者らの要求を「調整する環境をつくるため」として、議会を直ちに開くよう求めた。

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