気候変動対策として、コンブやアマモ、マングローブなど、海や沿岸の生態系によって取り込まれ、ため込まれる炭素「ブルーカーボン」に注目が集まっている。森林など陸上の植物の光合成によって取り込まれる「グリーンカーボン」に劣らぬ貢献が分かってきている一方、開発など人の活動の影響を受けやすい一面を持つ。
「ブルーカーボン」という言葉は2009年に国連環境計画(UNEP)がまとめた報告書で使われた。地球上で生きものによって取り込まれる炭素(カーボン)のうち、半分あまりがブルーカーボンだとして重要性を訴え、急速な海の生態系の消失を防ぐよう警鐘を鳴らした。
特に大きな役割を果たしているとされているのが沿岸や、その近くの浅い海だ。報告書が出る数年前にスペイン出身で現在はアブドラ王立科学技術大学のカルロス・ドゥアルテ特別教授が、海にため込まれる炭素のおよそ半分が、面積では0.5%に満たない沿岸植生域によって担われていることを明らかにした。
ドゥアルテさんはこの功績で25年の日本国際賞を受賞した。受賞の際「研究当初は森林が話題の中心だったが、今やブルーカーボンが気候変動対策の主要な選択肢になってきている」と指摘した。
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