埼玉りそな銀行本店(さいたま市浦和区)の応接室に掲げられている「道徳銀行」の書。渋沢栄一の直筆という=同行提供

 渋沢栄一(1840~1931)が設立に関わった銀行を源流にする埼玉りそな銀行が、ノルマの達成度で行員を評価するのをやめた。客に寄り添ったプロセスだったかを見る方式に改める。「数値目標の達成は結果論」と言い切る福岡聡社長を訪ねると、渋沢が目指した「道徳銀行」の経営を現代で実践しようとしているようだ。

 埼玉りそな銀行によると、「県民に信頼され地域とともに発展する銀行」「価値のよい流れを創造する『共創社会』のハブになる」といった中期経営計画の理念を明確にしたいという。「期末だから成績を伸ばしたい、売りたい、もうけたいが(行員の)意識として介在していた。(評価では)これを優先しないということだ」と説明する。

 今年度から、各行員が客と何回面談したかなど、その過程をみることにした。成果ではなく「正しいプロセスによる顧客の困り事解決」を重視するのだという。

客との面談数などプロセスを評価

 これまでは毎年度、埼玉県内…

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