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衆院予算委で立憲民主党の重徳和彦政調会長の質問に答弁する石破茂首相=2024年12月10日午前11時39分、岩下毅撮影

 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)へのノーベル平和賞授賞式があった10日、石破茂首相は国会で祝意を示した。一方で同時に、核兵器禁止条約への署名・批准は「極めて困難だ」と明言した。日本政府は、厳しい安全保障環境を理由に、米国の核兵器への依存を深めているのが現実だ。

 10日の衆院予算委員会。首相は「長年の核廃絶に向けた発信の努力が報われた。『おめでとう』か『ご苦労様でした』か、言い方は難しいが、本当にご苦労様でした」と日本被団協の活動をたたえた。一方で、北朝鮮や中国、ロシアの核保有国に囲まれている状況に触れ、「(核を含む米国の戦力で日本への攻撃を思いとどまらせる)拡大抑止を否定するという考え方を私は持っていない」と強調。核禁条約の署名・批准に否定的な考えを示し、来年3月の締約国会議へのオブザーバー参加についても「いかなる役割を果たすことができるかを考えないで、参加するもしないもない」と慎重姿勢を崩さなかった。

 米国の「核の傘」に頼る日本…

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