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2024年8月18日、パレスチナ自治区ガザ中部の病院で、イスラエル軍の攻撃によって死亡したパレスチナ人の遺体のそばで嘆く人たち=ロイター

 パレスチナ自治区ガザの停戦・人質解放交渉をめぐり、米国のブリンケン国務長官は19日、訪問先のイスラエルでネタニヤフ首相と3時間以上にわたって会談しました。会談後、ブリンケン氏は記者団に対し、ネタニヤフ氏が米国の提案した停戦案を受け入れる意向を示したと明らかにしました。

 ただ、イスラエル軍の「完全撤退」を含むイスラム組織ハマスの要求内容とは依然として隔たりがあるとみられ、交渉の行方は見通せません。

 ブリンケン氏は20日には、仲介国のエジプトやカタールの首脳と会談し、ハマス側の意向を確認するといいます。

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■■■2024年8月20日(日本時間)の動き■■■

ハマス、米国の調停案を批判 「民間人にさらなる罪を犯すことを許可」

 パレスチナ自治区ガザでの戦闘の停戦と人質解放交渉で仲介する米国が示した調停案について、イスラム組織ハマスは20日、「過激なシオニスト政府(イスラエル)が民間人に対してさらなる罪を犯すことに許可を出すものだ」などと批判する声明を発表した。

 米国が新たに提案した調停案の詳細は明らかにされていない。イスラエルとハマスの交渉をめぐっては、ハマスがガザからのイスラエル軍の「完全撤退」を求めているのに対して、イスラエル側はガザとエジプト境界への軍の駐留の維持は譲らない構えだ。

 また声明では、ブリンケン米国務長官とイスラエルのネタニヤフ首相の会談後の発言などを受け、調停案について、米国のバイデン大統領が示した従来の案への「クーデターだ」とも批判した。

ガザ停戦交渉「調停案をネタニヤフ氏が受け入れた」米国務長官

 イスラエルを訪問しているブリンケン米国務長官は19日、ネタニヤフ首相との会談後、パレスチナ自治区ガザの停戦をめぐる米国の調停案をネタニヤフ氏が受け入れたことを明らかにした。イスラム組織ハマスにも受諾を迫った。

 ブリンケン氏は記者団に「非常に建設的な会談で、ネタニヤフ首相はイスラエルが橋渡し提案を受け入れ、支持することを認めた」と述べた。その上で「ハマスにも同じようにする義務がある」と続けた。

 「次の重要なステップは、ハマスがイエスと言うことで、その後数日以内に熟練の交渉担当者が集まって、合意の実行に関する了解事項を明確にまとめることだ」とも述べた。20日にエジプトやカタールの首脳と会談し、ハマス側の意図を確認する考えも示した。

 ハマスは調停案に批判的な声明を出しているが、ブリンケン氏は「ハマスの意図を正確に推測することはできない。ハマスは以前も、実際の立場を反映しない声明を出している」と述べた。

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イスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相(右)と会談したブリンケン米国務長官は20日、自身のX(旧ツイッター)で会談の写真を公開した=ブリンケン氏のXの投稿から

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