イスラエルのテルアビブで2025年1月4日、パレスチナ自治区ガザでの早期停戦と人質解放を求めて政府に抗議する人=ロイター

 パレスチナ自治区ガザでイスラエルと戦闘を続けるイスラム組織ハマスが4日、人質にしているイスラエルの女性兵士(19)の動画を公開した。ガザでの停戦と人質解放をめぐる交渉がカタールの首都ドーハで再開しており、イスラエル側に圧力をかける狙いがあるとみられる。

 2023年10月のハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃の際、兵士はガザ近くで任務に就いていて捕らえられた。兵士は動画で、イスラエル側に人質解放への努力を求め、ガザでのイスラエルの軍事行動が人質らの命を危険にさらしていると訴えている。

 AFP通信によると、イスラエルのカッツ国防相は4日、この兵士の家族と面談し、イスラエルの代表団がカタールでの交渉に向かい、人質解放に向けて取り組んでいることを伝えた。ハマスも3日、イスラエル側との間接交渉で早期合意への意欲を示したが、完全な停戦とガザからのイスラエル軍の撤退を条件として改めて強調しており、難航が予想される。米国務省は4日、ブリンケン国務長官が交渉を仲介するエジプトの外相とガザの停戦交渉をめぐって協議をしたと発表した。

 一方、イスラエル軍は5日未明、イエメンから飛来したミサイルをイスラエル領に入る前に迎撃したと発表した。イスラエルと敵対するイランの支援を受ける中東各地の武装組織のネットワーク「抵抗の枢軸」の一角であるイエメンの反政府武装組織フーシは、ハマスへの連帯からイスラエルへの攻撃を続けている。昨年末にイスラエル軍や米軍から反撃を受けたが、「ガザへの侵攻が止まるまで戦闘をやめない」としている。

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