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2024年7月8日、米テネシー州ナッシュビルの州務長官事務所にある選挙事務局を訪れたリテラリー・エニバディ・エルスさん(左)。米大統領選でテネシー州の投票用紙に自らの名前を記載してもらうための申請用紙を選挙事務局から受け取った=遠田寛生撮影
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 今年の米大統領選は長く、前回と同じ高齢候補2人の対決が見込まれ、どちらにも嫌気がさしていた有権者も多かった。「ダブルヘイターズ」とも呼ばれるこうした無党派層は、ハリス副大統領(59)が土壇場で民主党の候補になることをどう受け止めるのか。その動向は、選挙戦の勝敗を左右する要素でもある。

【動画】米テネシー州ナッシュビルの州務長官事務所にある選挙事務局を訪ねたリテラリー・エニバディ・エルスさん。米大統領選に向けて自己紹介をしてくれた=遠田寛生撮影

  • ハリス氏、直近世論調査はトランプ氏と接戦 バイデン氏の失点を回復

 オレゴン州の地域短期大学で教員をしているマーク・ウリスタさん(44)は、2020年の前回の大統領選では民主党のバイデン大統領(81)に投票したが、さらに4年は無理だと感じていた。今回も共和党のトランプ前大統領(78)には投票しないと決めている。一方で「ハリス氏の検察官、副大統領としての実績をみると、実力を伴った大統領になるとは思えない」と語る。

 共和党支持の父と民主党支持の母の間に生まれた。互いの主張を聞いて育った影響もあり、無党派を自認するようになった。過去の大統領選では、民主、共和の2大政党に属さない「第3の候補」に投票したこともある。バイデン氏対トランプ氏の構図が固まっていた時期には「投票日の朝まで悩むかも」と考えていた。ハリス氏になっても悩みは解消されないという。

トランプ政権誕生時に得た教訓

 米紙ニューヨーク・タイムズとシエナ大の世論調査によると、トランプ氏の銃撃事件とハリス氏の立候補を境に、ダブルヘイターズの比率は約20%から約8%に減った。しかし、20年の大統領選でダブルヘイターズは約3%。足元の約8%という水準はまだ相当に高いとも言える。接戦州のわずかな票差が大統領選の結果を左右するだけに、この有権者層をなびかせることは、ハリス氏、トランプ氏の共通課題だ。

 フィリピン出身の移民で、中…

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