ハンガリー西部ナジカニジャで2025年7月12日に開いた集会で、支持を訴える新興政党「ティサ(尊重と自由)」のマジャル・ペーテル党首=寺西和男撮影

 来春に総選挙を控える東欧ハンガリーで、オルバン政権を強く批判する新興野党「ティサ(尊重と自由)」への支持が急伸している。2010年から続く現政権の強権的な政治姿勢や経済低迷などへの不満を背景に、政党支持率で首位に立った。ウクライナ支援などをめぐり欧州連合(EU)の足並みを乱すハンガリーで、16年ぶりの政権交代となるか、注目されている。

 「我々は権力維持でなく、国民に目を向ける」。マジャル・ペーテル党首(44)は12日、総選挙に向けてハンガリー西部ナジカニジャで開いたティサの「決起集会」で、約3千人の党員らを前に訴えた。オルバン氏に近い一部の企業経営者が入札などで優遇されていると指摘される政権を「腐敗している」と批判。汚職対策の不備などで凍結中のEUの資金を改革を進めて取り戻し、医療改革や住宅・鉄道の整備などに充当する「ニューディール」政策を実施し、国民生活を改善させると訴えた。

ハンガリー西部ナジカニジャで2025年7月12日に開いた新興政党「ティサ(尊重と自由)」の集会に参加する党員や支持者ら=寺西和男撮影

 調査会社メディアンの6月の世論調査によると、ティサの支持率は51%とオルバン氏の右派政党「フィデス・ハンガリー市民連盟」(支持率36%)に大きく差をつける。他の調査でもティサの優勢が目立ち、盤石だったオルバン政権の与党を揺さぶる。

 ティサは昨春、国営企業幹部…

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