来春に総選挙を控えるハンガリーで、15年にわたる長期政権を担うオルバン首相を批判する新興野党「ティサ(尊重と自由)」への支持が急伸している。その背景には何があるのか。16年ぶりの政権交代は起きるのか。地元シンクタンク「ポリティカル・キャピタル」の選挙担当研究員、ラスロ・ロベルト氏に聞いた。
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――主要な世論調査でティサがオルバン首相の右派政党「フィデス・ハンガリー市民連盟」をリードしています。政権交代の可能性をどう見ますか。
オルバン氏は(政権に復帰した)2010年以降、最大の挑戦を受けています。昨年春からティサの支持率が月ごとに上がる一方、フィデスへの支持はゆっくりと確実に落ちています。ただ、総選挙まで何が起きるか予想するのは難しいです。今の権威主義的な体制下では何が起きても不思議ではないからです。
フィデスは議会で3分の2の議席を確保しており、選挙ルールを単独で変更できます。例えば、現在5%の議会の議席要件を引き下げ、小政党も議席を狙えるようにして野党票を分散させれば、ティサには不利になります。過去のインサイダー取引疑惑などが指摘される、ティサの党首マジャル・ペーテル氏への法的措置が開始される可能性も否定できません。
――与党の支持率が下がっている理由は何でしょうか。
権威主義的な統治に飽き飽き…