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新著の「ニライカナイへの往路」
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 ハンセン病回復者で作家の伊波(いは)敏男さん(81)が新著「ニライカナイへの往路」(沖縄タイムス社)を出版した。沖縄出身で差別や偏見と闘い続け、20年近くを信州で過ごした経験もある伊波さんにとっての、「ある種の遺言書」だという。

 「二度と同じ過ちを繰り返さないよう、語り部になってほしい」。3月中旬、新著出版を記念して横浜市で開かれた講演会で、伊波さんが話した。

 著書や講演で自らの体験を伝えることが自身の役目だと考えてきた。ただ、その役割をそろそろ次の世代に託したいと考えているという。死者の魂が向かう理想郷を意味する沖縄の言葉を書名に用いたのには、そんな願いが込められている。

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