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会見する武見敬三厚生労働相=2024年6月28日、東京・霞が関、藤谷和広撮影
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 国立ハンセン病療養所「菊池恵楓園」(熊本県合志市)で、第2次大戦中から戦後にかけて開発中の薬剤を入所者に投与する試験が繰り返されていたとする調査報告書が公表されたことを受け、武見敬三厚生労働相は28日の閣議後会見で、「後世に事実を残していきたい」と述べ、今後も検証を進める考えを示した。

 入所者に使われたのは、感光色素を成分とした「虹波(こうは)」という薬剤。恵楓園が24日に公表した報告書によると、少なくとも472人が試験を受け、投与中に9人が死亡し、うち2人は虹波が原因と疑われた。激しい副作用や死亡例が出た後も、医師らは中止する判断をとらなかった。

 武見氏は会見で、「ハンセン病の患者に対する不当な差別が行われた過去の歴史の中の一つの重要な出来事として大変重く受け止めた。引き続き検証を進め、後世に事実を残していきたい」と述べた。(藤谷和広)

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