昨年のノーベル文学賞を受賞したハン・ガンさんの作品をはじめ、韓国の小説が世界で読まれています。何が読み手を引きつけるのでしょうか。ハン・ガンさんの作品などの日本語版を刊行する出版社クオンの代表で、東京・神保町で韓国書籍専門の書店も経営する金承福(キムスンボク)さんに聞きました。
- 世界を席巻するK-POPや韓国映画 後押しする文化政策、日本は?
- 韓国ミュージカル続々上陸 東宝プロデューサーが見る強さの深層
――ハン・ガンさんの本の日本語訳をたくさん出版されていますね。
「2005年に韓国最高峰の文学賞『李箱文学賞』を受賞したハン・ガンさんの『菜食主義者』を読んで、カフカの小説を読んだような気分になりました。出口のない、誰も答えられないものに対して美しい文章で問いかけてくる。とても魅了され、自分の出版社から日本語訳を出しました」
――韓国文学の強さはどこにあると思いますか。
「韓国は日本による植民地支配より前から、侵略など多くの困難を乗り越えてきました。もちろんどの国にも辛苦の歴史があるわけですが、とりわけ厳しい近現代史を味わいました」
記事の後半では、日本文学からの影響で、韓国文学で起きている変化について金さんが語っています。
「韓国の文学はそこから逃げ…