ハーレーダビッドソンのバイク=「ハーレーダビッドソンジャパン」のホームページから

 米バイクメーカー「ハーレーダビッドソン」の日本法人が、販売店に過剰な販売ノルマを課したとして、公正取引委員会は18日、同社の独占禁止法違反(優越的地位の乱用)を認定し、排除措置命令と2億1147万円の課徴金納付命令を出した。

 日本法人は「ハーレーダビッドソンジャパン」(東京都新宿区)。公取委の発表によると、同社は遅くとも2023年1月~24年8月、ディーラー契約を結ぶ販売店38社に対し、前年比約3~4割増の過剰な販売ノルマを一方的に設定。同社が3カ月に一度行う評価で、販売ノルマの8割以上を満たさなかった場合などに下す低評価が2回続いた販売店に、契約を更新しないと示唆するなどしていたという。

 当時、ディーラー契約をしていた全国の販売店約70社のうち38社は、同社との取引ができなくなれば経営に大きな支障が出る状況だった。立場が弱く、やむを得ず自腹で購入したバイクをスタッフや家族の名義でいったん登録し、販売実績として計上する手法をとっていた。こうした行為は「自爆営業」と呼ばれ、「登録済み未使用車」として安価で売らざるをえなくなっていたという。

BMWでも過剰ノルマ、その後2人がハーレーに

 自爆営業を巡っては、独自動車メーカーBMWの日本法人が15~19年ごろ、販売店に過剰な販売ノルマを課したとして、公取委が21年に行政処分をした。関係者によると、当時、同社に所属していた人物が20年にハーレー日本法人の社長と幹部に就任し、その後にハーレー側で自爆営業の仕組みが始まったとみられる。2人は公取委による24年7月の立ち入り検査後に退任したという。

 東京商工リサーチによると、日本法人の23年12月期の売り上げは前年同期比24%増の280億円で、24年12月期は21%減の220億円だった。日本自動車輸入組合の調査によると、昨年度に輸入した小型二輪車の新規登録台数のうち、ハーレーは約8千台で30.6%を占め、トップシェアだった。

共有
Exit mobile version