世界的バイオリニストで、若手育成のために「長岡京室内アンサンブル」を主宰し、教育者としても知られた森悠子(もり・ゆうこ)さんが死去した。80歳だった。京都の自宅で亡くなっているのを25日、親族が発見した。虚血性心疾患によるものとみられる。
通夜は29日午後6時、葬儀は30日午前11時から京都市中京区御池通木屋町東入上樵木町503の1のかもがわホールで。喪主は妹勝目(かつめ)さや子さん。
大阪府高槻市生まれ。6歳からバイオリンを始め、桐朋学園大を卒業した。斎藤秀雄の助手を務めたのち、チェコスロバキア(当時)とフランスに留学。1974年からフランスの名門パイヤール室内管弦楽団、77年からフランス国立新放送管弦楽団(現フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団)に在籍した。リヨン国立高等音楽院助教授も務めた。
若手の演奏家の育成に尽力。フランスの一流の音楽家に指導を受けられる「京都フランス音楽アカデミー」の創立を主導し、長く音楽監督を務めた。97年には「長岡京室内アンサンブル」を設立した。
2003年、フランス政府から芸術文化勲章オフィシェを受けた。くらしき作陽大学音楽学部特任教授なども務めた。著書に「ヴァイオリニスト 空に飛びたくて」がある。