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パリ近郊の米軍墓地で9日、花輪を捧げるバイデン米大統領(右から2人目)=AP

 バイデン米大統領は9日、パリ近郊にある第1次世界大戦の米軍戦没者墓地を訪れた。トランプ前大統領が訪問を直前にキャンセルして波紋を呼んだ場所で、新旧の軍人を軽視するような発言を繰り返してきたトランプ氏と、深い敬意を示す自身を、対比させる政治的な狙いが透けた。

  • 101歳元米兵が、バイデン氏が語った上陸作戦 呼び覚まされる記憶

 パリから東へ車で1時間ほど離れたエーヌ・マルヌ米軍墓地には2千人以上の米兵が眠る。バイデン氏は、ノルマンディー上陸作戦80周年の節目にあわせた5日間のフランス訪問の最後の日程としてこの地を選び、花輪を捧げた。

 バイデン氏は記者団に、第2次大戦で戦死したおじや、イラクで従軍後に脳腫瘍(しゅよう)で亡くなった長男ボーさんに触れながら、米軍墓地を訪問することの意味合いを「民主主義的な価値観を支持する証しとして、命を賭した人々をたたえるということだ」と語った。「(第1次大戦で)米国はドイツ軍を阻止するために駆けつけた。米国は、同盟国が我々にそうするのと同じように、必要とされる時に駆けつけるのだ」とも述べ、同盟の結束を図り、自由と民主主義を守る大戦の教訓を、改めて強調した。

 この墓地は2018年に、現…

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