米ニューヨーク州弁護士で慶応大学大学院教授の渡井理佳子氏=東京都港区の慶応大学

 米USスチール買収計画をバイデン前大統領に阻止された日本製鉄は、発足したトランプ新政権にどう向き合うのか。計画の行方は。識者へのインタビューを随時、配信します。

米ニューヨーク州弁護士で慶応大学大学院教授の渡井理佳子氏の話

 日本製鉄がバイデン前大統領らを相手取った訴訟には、買収の成立をめざし、トランプ政権との交渉環境を整える狙いがあるように見える。トランプ氏側がこれに応じて買収成立につながる可能性は、わずかながらもあるように思う。

 日鉄が起こした訴訟は二つ。一つはバイデン氏らを相手取り、買収を阻止した大統領の命令の無効とCFIUS(対米外国投資委員会)の審査のやり直しを求めた訴訟。もう一つは、買収を違法に妨害したとして米鉄鋼大手クリーブランド・クリフス社のCEO(最高経営責任者)や全米鉄鋼労働組合(USW)会長らを相手取った訴訟だ。

 いずれも簡単ではないが、バ…

共有
Exit mobile version