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蓄電池の歴史や仕組みを学ぶ授業。蓄電池産業に興味を持ってもらうのが狙いだ=2025年3月21日、徳島県立城南高校、相江智也撮影
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 スマートフォン、電気自動車(EV)、ポータブル電源――。徳島県内にはこうした製品に使われるリチウムイオン電池などの蓄電池関連企業が集まる。県は地元で未来の担い手を育てながら、将来は出荷額全国トップを目指す構想を打ち出した。

 その名も「徳島バッテリーバレイ構想」。米国の半導体産業の集積地「シリコンバレー」に倣って命名した。担い手育成もすでに始まっている。

 「長期間使っても電池が劣化しないスマホがほしい」

 「空飛ぶ車に使える軽い電池があれば……」

 今年3月、県立城南高校(徳島市)であった応用数理科1年の授業。生徒たちは蓄電池の仕組みや歴史を学び、生活をより快適にする「未来の電池」を考えた。

 応用数理科の生徒らは随時、蓄電池について学び続け、夏休みにはバッテリー教育に力を入れる産業技術総合研究所関西センター(大阪府池田市)を訪れ、小型蓄電池の製造実習も受ける予定だ。12月には、県内の蓄電池関連の工場見学も計画している。授業を担当する近藤充義教諭(46)は「身近なバッテリーが、徳島で多く生産されていること自体、あまり知られていない。授業で学ぶことは、将来の進路をイメージする上でも意義がある」とする。

小中学生から体験の機会を作る狙い

 こうした蓄電池をテーマにした授業は昨年度、県内の一部の小学校と高校、高等専門学校などで始まり、今年度中には小中学生向けの体験イベントなども予定している。

需要増加で急拡大する蓄電池市場。バッテリーバレイ構想が掲げた背景には、恵まれた地域性があるといいます。

 徳島大でも今春から文系の学…

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