ハイコ・ビレンさんは、デュッセルドルフにある自宅に太陽光パネルを取り付けていた=2024年7月、ニューヨーク・タイムズ

Germans Combat Climate Change From Their Balconies

 ベルリンで開かれたサステイナビリティー(持続可能性)がテーマの見本市で、新しい電子機器がバルトラウト・ベルクさんの目に留まった。それは、バルコニーの側面に簡単に設置できるくらい小さな太陽光パネルで、壁のコンセントに差し込む[plugged into a wall socket]と、太陽光からつくられたエネルギーを直接自宅に取り込めるのだ。

 「そんなものがそもそも存在していたこと、そして自分で自分用のエネルギーをつくり出して、エネルギーの利用に自主性を高められることを知って、とてもわくわくした」とベルクさんは言った。既に退職している彼女は、ベルリンにあるアパートメントの南向きのバルコニーにパネルを数枚、自分で取り付けた。

 軽量のパネルには、ノートパソコンを充電したり、小型冷蔵庫を使ったりするくらいの発電力しかない。しかし、太陽光パネルはドイツ全土の家庭に静かな変革を起こしている。大きな投資をしたり、電気工を探したり、重たい工具を使ったりすることなく、人々の手に「緑の革命」をもたらしているのだ。

 「ドリルもハンマーも必要ない。イタリアの洗濯物のように、バルコニーからつるすだけ」とベルクさんは言う。

 すでにドイツ全土で50万台以上が設置され、太陽光パネル設置に関する規則を緩和した新しい法律も利用の増加を後押ししている。ドイツの規制機関である連邦ネットワーク庁によると、今年に入って半年間で、ドイツでは太陽光発電設備がつくり出す発電容量が9ギガワット増えた。

  • 【注目記事を翻訳】連載「NYTから読み解く世界」

ドイツの家庭で太陽光パネルの設置が増えています。太陽光パネルを販売するスタートアップ企業も好調です。人気の背景には何があるのでしょうか? NYT記者が取材しました。

 同庁のクラウス・ミュラー長…

共有
Exit mobile version