大阪・関西万博で欧州のラトビアとリトアニアが共同出展している「バルト館」に、万博の公式キャラクター「ミャクミャク」のぬいぐるみが次々と届けられている。きっかけは、館内で起きた「窃盗事件」だった。
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同館によると、事件があったのは13日。入り口そばのカウンターに万博の開幕時から1個だけ置いていたミャクミャクのぬいぐるみが盗まれた。その様子は、館内に設置していたカメラに映っていた。
リトアニアのオーレリウス・ジーカス駐日大使は16日、「とても寂しい。皆さん、見つかったら教えてください」などとX(旧ツイッター)に投稿。バルト館の広報担当者も報道陣の取材に、「ミャクミャクは万博のシンボルで大人気なので置いていた。親友の『バラビちゃん』(同館公式キャラ)も悲しんでいる」と話していた。
事件の情報は、ネット上などで拡散。それを見た日本人らがバルト館を続々と訪れ、ぬいぐるみなどを贈ったという。
折り紙や風船のミャクミャクも
20日はラトビアのナショナルデー。伝統衣装を着た人たちのダンスやパレードが披露された。バルト館では18個のミャクミャクのぬいぐるみのほか、折り紙や風船でミャクミャクを表現した作品など、この日の朝までに届いた贈り物がすべてカウンターに並べられ、「バラビちゃん」とともに来館者を出迎えた。
バルト館のラトビアの責任者、ラースマ・リーダカさんは報道陣の取材に、「多くの贈り物が届くとは予想しておらず、驚いている。日本人の優しさに感謝の気持ちでいっぱいだ」と話した。