Smiley face

 Kバレエが来月から、アンデルセン童話に想を得た新作「マーメイド」を各地で上演する。人魚姫をテーマにした狙いを、芸術監督の熊川哲也はこう語る。「ファンタジーを求めて劇場に来た子供たちをバレエのとりこにしたい。『本物』の神髄を、できる限り早く子供たちの心に刻みつけておくことの大切さを最近、切実に感じるんです」

 英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパル時代に見た世界最高峰の景色を、未来のダンサーたちにも見せてあげたいと心から願う。人魚姫が、ディズニー映画ですでに子供たちに親しまれている素材であるということも意識した。

 「すてきだな。自分も踊りたいな。そんな本物への憧れが、未来のバレエ人口を増やす。言葉のないバレエは想像する力を育てる。子供向けなんていう表層的な大義名分が僕は大嫌い。子供に本気になってもらうには、僕らの方が全身全霊、本気でやらなきゃ。今思うとドリフターズって本当にすごかったよね」

 熊川の音楽へのこだわりは…

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