新発売の「果のしずく」

 14日はバレンタインデー。カカオなど原材料の高騰が続くなか、兵庫県西宮市のドイツ菓子店「カーベ・カイザー」は国産果物と寒天を使ったトリュフチョコレート「果(か)のしずく」を発売。創意工夫で可能な限り価格を抑えた。

 中心にはチョコと生クリームを混ぜたガナッシュではなく、リンゴやパインなど国産果物のジュレを閉じ込めた。冷凍しても楽しめ、夏場の需要も期待する。

 6個入りで税込み2300円。決して安くはないけれど……。それでもチョコの使用量を減らすことで3割ほど価格を抑えられたという。

 原材料費高騰に加え、人件費やエネルギーコストもかさみ、洋菓子業界を取り巻く環境は厳しさを増す。同店の大隅稔雄会長(79)は「ショーケースに並ぶお菓子も高くなりすぎてしまい、心苦しい」と話す。

 1977年創業の同店はバウムクーヘンなど焼き菓子が人気だが、「チョコは洋菓子店に不可欠なアイテム」との思いから、果のしずく開発に挑戦したという。

 日常にお菓子と笑顔が戻るように。「私たちお菓子店も現状に萎縮せず、工夫と努力で苦難を乗り越えたい」

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