バングラデシュの首都ダッカで8日、ムハマド・ユヌス氏(中央)の暫定政権トップ就任宣誓が、シャハブディン大統領(左)の立ち会いのもと行われた=AP

 反政府デモの末、ハシナ前首相が辞任したバングラデシュで8日夜、暫定政権が発足した。政権を率いる最高顧問にはノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏(84)が就任した。政権崩壊後もハシナ氏支持者らへの暴力行為が続く中、情勢の安定化が求められている。

 首都ダッカの大統領公邸で開かれた宣誓式で、ユヌス氏は「独裁政権は終わった。民主主義や人権、表現の自由が党派に関係なく享受されることが我々の目標だ」と語った。暫定政権のメンバーには、デモを主導した学生リーダー2人のほか、大学教授、人権活動家、イスラム学者、少数民族関係者らが入った。

 今月5日のハシナ氏退陣後、大規模なデモは収まったが、国内各地でハシナ氏が率いた前与党アワミ連盟(AL)関係者や、少数派ヒンドゥー教徒の襲撃が起きていると伝えられている。

 ハシナ氏との関係が深く、バングラデシュから脱出した同氏を保護しているインドのモディ首相は8日、X(旧ツイッター)でユヌス氏就任に祝意を示した上で、「ヒンドゥー教徒や全ての少数民族の保護と早期の正常化を望む」と述べた。

共有
Exit mobile version