ミャンマー中部を震源とする地震で発生した、隣国タイでの建設中の高層ビル崩落を巡り、タイ当局が事故原因の調査を進めている。現場での救助活動が困難を極めるなか、施工を請け負った中国国営企業の事務所を警察が捜査するなど、事態の解明を急ぐ構えだ。
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現地報道によると、倒壊した33階建てビルの施工は中国国営企業「中鉄十局」と、タイの大手ゼネコン「イタリアン・タイ・デベロップメント」の共同事業体が請け負った。
震源地から約1千キロ離れたバンコクでは、高層ビルの外壁や、ビル同士をつなぐ渡り廊下が損傷するなどの被害が相次いだ。だが、建物そのものが崩落する事故は、このビルの他に伝えられておらず、事故原因が注目されている。
鉄筋の一部、安全基準満たさず
タイ工業省は、現場で用いられた鉄筋を採取して調べたところ、その一部が国の安全基準を満たしていなかったと発表。現地メディアのネーションなどが報じた。この鉄筋が製造された中部ラヨーン県の工場は昨年、ガスの漏洩(ろうえい)事故で当局から閉鎖命令を受けていた。ただ、同省は現時点で、この鉄筋と事故の関連性は明確でないと見ており、調査を進めている。
ネーションはまた、地元警察当局が、施工した中国企業の中国人男性従業員4人を、現場近くの事務所から関連資料を持ち出そうとしたとして一時拘束したと報道。地元裁判所は1日、ビル敷地内に許可なく入ったとして、4人に禁錮1カ月(執行猶予1年)と罰金3千バーツ(約1万3千円)を課した。
ペートンタン首相は1日の閣議後、この中国企業が受注した国内全ての建設事業について、調査を関係機関に指示したと明かした。警察当局は2日、バンコクにある中鉄十局の現地事務所に立ち入った。
「政府の対応は遅すぎる」
タイ政府が原因究明を急ぐ背…