パキスタン軍による空爆の被害に遭ったアフガニスタン東部パクティカ州の村=2024年12月25日、周辺住民提供

 アフガニスタンに潜伏する武装勢力の活動を巡り、イスラム主義勢力タリバンの暫定政権と隣国パキスタンとの対立が深まっている。パキスタン軍は24日、アフガン領土内に空爆を実施。自国の軍兵士が武装勢力に殺害された報復の可能性がある。一方、タリバン側は空爆によって、女性や子どもを含む46人が死亡したとして、「卑劣な行為だ」と非難している。

 パキスタン側は空爆に関して正式なコメントを出していないが、アフガン東部を拠点にする武装勢力「パキスタン・タリバン運動(TTP)」を標的にしたとみられている。

 AP通信によると、TTPは今月21日に両国国境近くの検問所でパキスタン軍兵士を襲撃し、少なくとも16人の兵士を殺害したという。

 パキスタン当局はタリバン暫定政権と関係を深める一方、TTPによる越境攻撃を非難し、タリバン側にも取り締まりや治安維持を求めてきた。パキスタン軍は2022年4月にもアフガン領内を空爆。この時もTTPの拠点を狙ったとみられており、40人以上が死亡したという。

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