パティシエとして活躍する鎧塚俊彦さん。人においしいと思ってもらえるお菓子を作るにはどうしたらいいか――。欧州修業からの帰国後、そう深く悩んでいた時期があったそうです。「唯一無二の存在」になるために、導き出した答えとは。
チョコメーカーは畑でカカオを作る、だったら僕は…
製菓専門学校を出てパティシエになったのは23歳の時でした。外資系ホテルなどで働いた後、洋菓子を基礎から学び直そうと29歳で渡欧を決意。スイスやオーストリア、フランスなどで約8年修業し、ベルギーでは三つ星レストランでシェフパティシエも務めました。
2002年に帰国すると、百貨店などがスイーツフェアを開くのがブームになり始めていて、僕もそこに参加するようになりました。ところがその場には、僕が小僧のころから活躍している「神様」のような先輩方も出店しているんです。
あっちのほうがうまい、勝てるわけがない――そんな最悪なことを考えながら、悩みながら、続けました。
悩んだ末に導き出したのが…