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作品の前で展示について説明するパティ・スミス=2025年4月25日午後3時26分、東京都江東区、弓長理佳撮影

 気候変動や戦争、原発問題……。不安定な世界を、私たちはどう歩んでいけばいいのだろう。米国の詩人・アーティストのパティ・スミスと、ベルリンを拠点に活動する現代音響芸術集団サウンドウォーク・コレクティヴによる展覧会「サウンドウォーク・コレクティヴ&パティ・スミス コレスポンデンス」は、そのヒントとなるかもしれない。

 スミスは1946年生まれ。75年、詩とロックを融合させたアルバム「Horses(ホーセス)」で歌手デビュー。「パンクロックの女王」として知られ、近年は画家やパフォーマーとしても精力的に活動している。そんな中で出会ったのが、様々なアーティストとコラボレーションし、音楽や環境音、映像を複合的に組み合わせた作品をつくるサウンドウォーク・コレクティヴだ。

 約10年前、同集団の中心メンバーであるアーティストのステファン・クラスニアンスキーと飛行機の席が隣になり、意気投合。協働し、世界各地の美術館で作品を発表してきた。

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展覧会について語るパティ・スミス(左)とステファン・クラスニアンスキー=2025年4月25日午後3時59分、東京都江東区、弓長理佳撮影

 今回の展示のテーマは、両者による「対話」。スミスが「私たちの作品には、詩、音、イメージの3段階がある」と語るように、メインとなる映像作品では、まずクラスニアンスキーが様々な場所でフィールドレコーディングをする。それを受けてスミスが詩を書き下ろし、音を重ねていく。それに合わせて同集団が映像を編集した。

 内容は、近年多発する山火事…

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