水素をパイプラインで運んで発電したり、微生物で作った刺激剤で野菜の収穫を増やしたり――。気候変動対策への貢献が期待される新技術が、開催中の大阪・関西万博で活用されている。
パナソニックグループのパビリオン「ノモの国」。夜になると、75の投光器によって青色やピンク色にライトアップされ、幻想的な雰囲気に包まれる。
この照明のための電気は、約200メートル離れたNTTのパビリオンから地下に埋設されたパイプラインで送られてきた水素を使ってつくられている。発電出力は5キロワットで、夜間ライトアップのすべてをまかない、余剰分を施設内で使っているという。
水素は、NTTパビリオンの屋上に設置したフィルム状の「ペロブスカイト太陽電池」で発電した電気で水を分解して製造されたものだ。
水素ゆえのメリットとは
つまり、二つのパビリオンで「太陽光→電気→水素→電気」というエネルギーの変換が行われている。
なぜ、わざわざ水素に変換するのか。
太陽光発電や風力発電などの…