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車いすラグビーで競うフランス代表(左)とデンマーク代表=ロイター

 パラアスリートたちは英雄なのか――。パラリンピックが28日に開幕したフランスで、パラ選手たちをめぐるこんな議論が起きている。そこには、スポーツの枠組みを超えて、健常者が障害者に向けるまなざしのあり方を問いなおす意味が込められている。

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 パリ五輪の熱狂がさめやらぬ13日、柔道で金メダルを獲得したフランスの英雄テディ・リネール選手のラジオでの発言が議論の始まりだった。「パラアスリートはスーパーヒーローだ」

 リネール選手の言葉は、開幕が近づくパラリンピックへの尊敬とエールを込めたものだったが、車椅子バスケットボール仏代表のスフィアヌ・メイアウイ選手(40)は、「私たちは障害者であり、普通の人だと思われたい。スーパーヒーローでなくアスリートとして、スポーツで成果を上げる私たちを見てほしい」とSNSで異論を投げかけた。

 史上最も成功したパラリンピ…

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