リンゴ染めを40年近く続けてきた、左から長崎ミツ子さん、佐藤アツ子さん、宮本久子さん。後を継ぐ荒井亜由美さん、島田悠さん、浜野牧子さん=長野県飯綱町

 パリの五つ星ホテルで3月に開催されたファッションショー。緑がかったデニムをまとうモデルがランウェーを行くと、観客から「オゥー」と歓声が沸いた。

 古着デニムをつなぎ合わせデザインされた3着の染料の元は、長野県飯綱町のリンゴだ。長野市から車で約30分、標高500~700メートルに位置する町は全国的にも名産地として知られる。

 剪定(せんてい)した枝や老木の樹皮などを煮詰めた染料で、地元の女性たちが40年近く手がけてきた染め物は「苹果(ピンゴ)染」と呼ばれる。シルクロードを通って日本に伝わったとされるリンゴを意味する中国語を用いた名称は、商標登録もされた。

化学染料にはない風合い

 1987年、旧三水村(現飯…

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