Smiley face
写真・図版
パリのエッフェル塔前にあるセーヌ川の遊泳区域で2025年7月5日、水泳をする人々。セーヌ川はこの日の朝、1923年以来初めてパリの市民に再開放され、猛暑の中、地元住民や観光客の心地よい避暑地となった=AFP時事
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 パリの中心部を流れるセーヌ川で5日、約100年ぶりに一般市民の遊泳が解禁された。ノートルダム大聖堂やエッフェル塔などに近い3カ所の川岸に設置された遊泳場の無料開放が始まり、市民らが泳ぎを楽しんだ。

 セーヌ川は家庭からの排水などによる水質悪化が原因で、1923年に遊泳が禁止された。仏政府とパリ市は昨夏のパリ五輪で水泳競技の会場としてセーヌ川を使うために水質浄化計画を実施。市民の遊泳の実現は、夏の熱波対策を兼ねた五輪の「レガシー(遺産)」と位置づけられていた。

 遊泳場は川岸に沿って数十メートルの範囲を区切る形で設けられており、8月末まで無料開放される。3カ所の内2カ所は更衣室もある。現場には安全を監視する係員が常駐する。仏公共放送によると、初日の遊泳解禁時の水温は25度だった。

 昨夏のパリ五輪ではトライアスロンの水泳などが実施されたが、体調不良を訴える選手が出るなど、水質をめぐって安全性が問題になった。大雨などで水質が悪化する可能性もあることから、パリ市は毎日、水質を検査するとしている。

共有