この夏、パリ五輪はチケット販売が史上最多となるなど、大いに盛り上がった。しかし、ウクライナ侵攻がらみで国としての参加を禁じられたロシアは、軍や治安機関に関係せず、侵攻を積極的に支持していない資格審査を通った個人の中立選手15人の参加にとどまった。
当然、ロシアでの報道も低調である。たとえばロシアが実効支配する北方領土の新聞は、国後島の「境界にて」、択捉島の「赤い灯台」とも、パリ五輪を扱った記事をほとんど掲載しなかった。
だが、低調とはいえ、パリ五輪に関するロシアでの報道などからは、2015年の国ぐるみドーピング不正の発覚以降、大きな制約のもとでの参加が続く五輪に対する国民や選手らの複雑な心情もほの見えてくる。
「競技の結末が、これよりひ…