パリ・オリンピック(五輪)に出場するサッカー男子の23歳以下(U23)日本代表は11日(日本時間12日)、米カンザスシティーでU23米国代表と対戦する。五輪のメンバー発表前最後の試合で、「ラストチャンス」にかける選手たちがいる。
「次の試合が本当に最後の最後。しっかりと自分が爪痕を残せたら」
そう語ったのは、J1鹿島アントラーズのMF松村優太だ。
今季、所属の鹿島ではいまだにリーグ戦での先発出場がない状況が続く。日本が優勝した4~5月のアジア最終予選を兼ねたU23アジア杯でもメンバーから外れるなど苦しい時間を過ごしてきた。
ただ、試合に出られなくても、視察に訪れた大岩剛監督から声をかけられ、評価している点やU23代表で求められていることを話し合ったという。「正直、入るとは思わなかった」という最後の遠征でメンバー入りを果たした。
「この代表チームでのウィングの役割は、常に相手に脅威を与えることや仕掛け続けること。僕にすごい合っているし、自信はある」
ドイツでプレーするDFチェイス・アンリ(シュツットガルト)も、U23アジア杯には参加せず、今回アピールが求められる一人だ。
非公開で行われた7日の第1戦では「ヘディングとか、色々持ち味は出せた」と手応えを口にする。
福島・尚志高校から日本のJリーグを経由せず、ドイツに渡った20歳。今年1月からは、シュツットガルトのトップチームの練習にも参加している。同僚だった元日本代表の原口元気から、可動域を広げる足の動かし方を学び、日々、基礎練習を重ねてレベルアップをしてきたという。
「遠征で最後の試合だし、オリンピックは人生で1回しか(チャンスは)ないと思う。もちろん行きたい」
今回招集された25人に対し、パリ五輪に行けるのは18人。狭き枠を争う最後の試合となる。(カンザスシティー=照屋健)