パレットに載った荷物をフォークリフトでトラックに積み込む作業員=2024年6月20日午後2時2分、埼玉県川越市、西岡臣撮影

 フォークリフトの爪を差し込んで、たくさんの荷物を一気に持ち上げられるパレット(荷役台)は、物流倉庫のお役立ちグッズだ。作業時間がグッと減り、「2024年問題」解決の切り札の一つと期待されている。ただ、大きさがまちまちで倉庫にぴったり収まらなかったり、持ち主に返さなければならなかったりして、手作業で積み替えることもしばしば起こる。そんな不都合を解消し、使い勝手をよくしようと、国や業界が話し合って、1.1メートル四方のものを、レンタルで使い回す方向で調整し始めている。

「パレットじゃないと仕事回らない」

 本などを出版社や再生紙の業者へ運ぶ仕事を手がける運送会社「アベサービス」(埼玉県川越市)の倉庫では、木製のパレットにぎっしりと積まれた雑誌や参考書の間をフォークリフトが行き交う。全長12メートルの13トントラックに約3万冊分を運び入れる作業は、20分ほどで終わった。手作業だと2時間かかるという。

 同社では、パレットを使う仕事が全体の9割以上を占める。トラック運転手の労働時間は1日8時間から12時間ほど。限られた時間でいかに効率よく仕事をこなせるかが重要だ。パレットを使わない倉庫だと、先に荷物を届けたトラックが手作業で荷下ろしをしている間、長い待ち時間ができてしまう。阿部薫社長(61)は「労働時間を守るため、待ち時間のある仕事は受けられない。パレットじゃないと仕事が回らない」と話す。

結局、積み替えが発生

 優れもののパレットだが、使…

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