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熊本県

 熊本県球磨村の松谷浩一村長が、パワハラを巡る労働争議調停で、第三者に口外しないことを明記して取り交わした合意文書のコピーを、村議に閲覧させていたことがわかった。松谷村長は「不注意だった」と話している。

 合意文書は、村の地域振興に取り組む目的で2019年に設立された一般社団法人「くまむら山村活性化協会」の従業員との間で結ばれた。

 関係者によると、協会の代表理事だった松谷村長が2022年、理事会などで従業員に叱責(しっせき)を繰り返したとして、従業員が熊本労働局に調停を申請。従業員を保護する内容で23年3月に調停が成立し、第三者に口外しないと明記した文書を交わした。村長は翌日に代表理事を辞任した。

 しかし、今年2月、村議会の意見交換会で議員からパワハラを巡る質問が出たため、松谷村長は文書のコピーを見せたという。松谷村長は「私の認識不足だった」と話した。

 協会は村からの委託を受け、地域振興の事業をしているが、村は「直轄にして効率化する」として、委託を今年度で終了する方針を示している。

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