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取材に答える三菱電機の漆間啓社長=2024年11月22日、東京都千代田区、高橋豪撮影

 電力の変換や制御に使われ、脱炭素を支える「パワー半導体」。その生産を担う国内メーカーで再編の機運が高まっている。規模で上回る欧米勢に対抗するためだ。国内トップの三菱電機の漆間啓社長は、「積極的に考えていきたい」と、再編に前向きな姿勢を示す。また、米トランプ政権発足を年明けに控え、半導体を取り巻く事業環境はどうなるのか。漆間社長が報道各社のインタビューに答えた。

高い電圧や大きな電流の制御や変換ができるパワー半導体の用途は、冷蔵庫やテレビなどの家電から通信基地局などにも及ぶ。電気自動車に欠かせない中核部品にも使われ、モーターの消費電力を抑える新製品の開発が進んでいる。

 ――パワー半導体の市況は。

 「急速に電気自動車(EV)化が進むと言われていたが、当初の想定よりも緩やかになっている。ただEV化は止まらず、着実に転換していくと思っている。今進めている事業は基本的に問題ない。来年11月以降に熊本の新工場が完成するまでに足場固めをしていきたい」

国内では東芝とロームが昨年、パワー半導体の生産で協業すると発表。経済産業省は両社に最大1294億円を補助すると表明した。

 ――政府を含め、業界再編に向けた機運が出ています。

 「パワー半導体は世界で勝て…

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