地域振興を掲げ、ジャイアントパンダの誘致に動く自治体が後を絶たない。実現すれば経済効果も見込めるが、希少動物を外交利用してきたといわれる中国が相手だけに、正攻法はないようだ。
昨年8月、茨城県日立市であった「パンダフェス」。パンダの動きを模した「パンダンス」を地元の子供たちが踊るコンテストや、県内外から2千点以上の絵画の応募があった「パンダアートコンテスト」の表彰式、パンダグッズを販売する「パンダマーケット」など、パンダが目白押しの催しに約1万9千人が訪れた。
わがまちにパンダを 地域活性化へ誘致続々
人気が高く経済効果が見込めるパンダをわがまちの動物園に呼び込もうと、様々な地方自治体が誘致活動をしています。
ただ、パンダを貸すかどうかを最終的に決めるのは中国政府。自治体の個別の頑張りはどこまで有効なのか…?そんな疑問から取材を始めました。
企画したNPO法人・茨城県日中友好協会によると、同県へのパンダ誘致の盛り上げが目的。会長の川津隆・自民党県議は「まだパンダがいないのにパンダイベントがこんなに活発なのはうちくらいでは。地域の機運もだいぶ高まってきた」と胸を張る。同種イベントは2020年から開催し、パンダのキャラクター「ぱんだーるくん」「ぱんだーなちゃん」まで作った。
日立市かみね動物園へのパンダ誘致を目指す茨城県では、大井川和彦知事が17年に就任以降、東京から遠く人口減少が著しい「県北の振興」を理由に誘致を掲げる。昨年は訪中も実現した。県は数十億円の経済効果を見込み、担当者は「地域活性の起爆剤に」と期待を込める。
上野やアドベンチャーワールド、なぜ実現?
わがまちにパンダを、との声は各地で上がる。
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