神経の難病「パーキンソン病」や「レビー小体型認知症」の原因物質が患者の脳内にたまっている様子を画像でとらえることに、量子科学技術研究開発機構(QST)などの研究チームが世界で初めて成功した。アルツハイマー病のように、原因物質を標的とした治療法の開発につながると期待される。
成果が日本時間の6日、米科学誌ニューロンに掲載される(https://doi.org/10.1016/j.neuron.2024.05.006)。
手足がふるえたり体がこわばったりする難病のパーキンソン病や、幻視が特徴とされるレビー小体型認知症は、脳の細胞に「αシヌクレイン」というたんぱく質がたまることが知られる。ただ、体外から陽電子放射断層撮影(PET)などで画像化することはできず、標的とする治療法も確立していない。
そこで研究チームは、PETで画像化できているアルツハイマー病の原因物質に着目。この物質に結合するPET用の薬剤を改良し、αシヌクレインに強く結合する分子構造の薬剤を開発した。
このPET薬剤を使って健常…