【動画】ラジオパーソナリティーになった中学生=寺西哲生撮影
岐阜県多治見市のコミュニティーFM「FMPiPi」でパーソナリティーを務める古根羽菜(ふるねはな)さんは14歳、地元の中学3年生だ。オーディションを勝ち抜き、4月から担当しているレギュラー番組では、中学生ならではの等身大の気持ちを、「大人が話しているよう」と評される落ち着いたトークで伝えている。
「私の好きな食べ物は『ゆかりご飯』です。給食に出るゆかりご飯が好きで……」
5月12日、午後5時からの生放送。2度目の登板となる古根さんは「好きな食べ物」をテーマに小学校時代の給食の思い出を語った。トークや音楽、ニュースで構成する約2時間弱の番組を先輩パーソナリティーと一緒に担当。放送終了後、古根さんは「時間配分とか改善点も見つかったんですが、スラスラしゃべれていたかなとは思います」と振り返った。
同局総合企画部長の大塚貴美さんは「落ち着いた声で、等身大の古根さんも感じられ、心地よく聴ける」と評価する。
古根さんは同局が実施したオーディションで、10~60代の30人の中から選ばれ、4月から月1回、夕方の番組のパーソナリティーを務めている。
応募するきっかけになったのは、中2の時に同局で参加した職場体験だ。
小さいころからラジオは身近な存在で、「落ち込んだ時とかに一番欲しい言葉を届けてくれる。いつもラジオに励まされてきた」と興味を持っていた。
職場体験でパーソナリティーとリスナーが作り上げる温かい空間に触れ、「なんて素敵な世界なんだ!」と感激した。番組にも出演させてもらったが、落ち着いた話しぶりに「この子、すごい」と局内で評判になったという。
職場体験時に、オーディションの存在を知り、「私もこの素敵な空間に入りたい」と応募を決めた。
オーディションでは声質、トーク、構成力、個性、将来性の項目で審査され、7人が残った最終審査では10分間のミニ番組を担当し、グランプリに輝いた。「声質もいいし、物の見方も成熟している。とても中学生とは思えない」と大塚さん。
受験生のため、現在は月1回の出演だが、将来もラジオパーソナリティーとして活動していきたいという古根さん。
「私自身、ラジオを通して元気をもらったので、いろんな方に元気や勇気を与えられるような存在になりたいなと思います」
父が聞かせた「創作物語」
「聴いていて心地よい」という落ち着いた語りはどうやって育まれたのか。
「父の影響が大きいと思いま…