ヨシキリザメを使ったペットフードが置かれた商品棚=2025年4月24日、宮城県気仙沼市南町海岸

 サメ身ペースト、サメ皮ジャーキーにサメ軟骨ジャーキー……。そんなサメを原料にした犬猫用のペットフードを扱うショップが、サメの水揚げ日本一を誇る宮城県気仙沼市で開店した。ペット同伴で試食も可能だ。

 4月24日、市内の水産品販売会社「さんりくみらい」がオープンさせた「ミライショップ」。商品棚には牛肉や鶏肉などとともに、サメの一種「ヨシキリザメ」が原料の珍しいペットフードが並ぶ。全て無添加で、価格は1袋500~千円ほど。

 ヨシキリザメのヒレは高級食材の「フカヒレ」になるが、さんりくみらい社はこれまでヒレ以外の身や皮、軟骨を鹿児島県のペットフード会社に原料として納品していた。東北ではその商品を売っていないことを踏まえ、ペットフード会社が作った既製品を「逆輸入」する形で販売することにしたという。

 店は、市が新規事業への挑戦を促すため、海辺の観光スポットにある施設の一角を1年間無料で貸し出す「チャレンジショップ」の4店目。ヒレ以外の部位は、これまで家畜の飼料用など安価で取引され、十分に利活用が進んでおらず、付加価値の高い商品にできないか探る狙いもある。

 藤田純一社長(47)は「低カロリー・低脂質のヘルシーでおいしい地元の食材に、犬や猫もとりこになってほしい。水揚げしたサメの商品を目にすることで、漁師のやりがいにもつながれば」とアピールする。

共有
Exit mobile version