米国の人気シンガー・ソングライター、ビリー・アイリッシュ(23)の3年ぶりの来日公演が、16、17日にさいたまスーパーアリーナで開かれた。最新アルバム「HIT ME HARD AND SOFT」を携えたワールドツアーの一環。360度すべてを聴衆に囲まれたステージでのパフォーマンスに、のべ8万人が熱狂した。今回のライブを音楽評論家の岡村詩野さんはどうみたか。寄稿してもらった。
音楽評論家・岡村詩野さん寄稿
最初の楽曲が注目されてからちょうど10年。アルバムは既に3枚リリースし、グラミー、アカデミーなどの受賞も数多い。民主党支持を明言し、環境破壊や人種問題への危機意識も伝える。インスタグラムのフォロワー数1.2億というその影響力の大きさは計り知れない重圧でもあるだろう。
それでも思ったのは、彼女は好きな服を着て、走り回り、無邪気に笑う23歳ということだ。窮屈な世の中で、言いたいことを言い、やりたいことをやって生きるには? その回答がこの日(17日)のステージにあった。
会場にはビリーさながらにダ…